今年の1月から考えていたことがあります。
それは、引越しをしようかと思っていました。ここロマンの家を売って、新たな土地に行こうと考えていました。ルーマニアの中で本当に住みやすいところを探してそこに引っ越そうと思っていました。6ヶ月間いろいろと考えた末の結論は、やはりこの家にずっといようということになりました。1年の半分の6ヶ月が終わったという区切りに、妻と最終結論を出しました。
行きたいところの候補地はいろいろありました。主なところは、ブラショフ、シビウ、ヤシ、ピアトラニャムツなどです。何度か現地に行ってみました。夏の時期に行って見て、冬の時期も見ました。どこも魅力的な町です。町に行って、引っ越したあとのことをその場で考えました。始めは賃貸のアパートに入ってそこを拠点にアパートか家を探して購入しようか、などシュミレーションをしていました。町の中心が良いのか、はずれの静かな方が良いのか、周りの住人はある程度、上の階層の人の方が良いし、など考えることはいっぱいあります。それぞれの町についていろいろと考えました。
また、このロマンの家ですがいろいろ手を加えているのでそれなりの値段で売れます。EU加盟の影響で不動産価格の高騰もあり、思っている以上の値がつきます。今が売るには一番良い時期だと思っていました。こんなことを考えて、引越しする方向にいたのですが、一つ重要なことを忘れているのに気が付きました。
それは「ここは日本じゃなくてルーマニアだ!」と言うことです。これの意味は、ルーマニアで物事がスムーズにうまくいくことは絶対にありえないということです。考えている以上に時間も掛かるし、お金も労力も必要になります。3年前に経験していたのですが、時間と共に忘れかけていました。それをハッと思い出しました。
例えば、ビザ(在留許可)の申請ですが、行った先での必要書類は、ここロマン(ニァアムツ県)と同じとは限りません。どこに税金を支払って、どこに申請すれば良いのか、また申請する時間は何時から何時か、などまた1から調べなくてはいけません。妻も初めての土地で、私は外人で、子供を3人も連れていて、はたしてやっていけるのだろうか。という疑問がわいてきました。妻のIDカードも申請しなおさねければなりません。1年後には妻のパスポートの申請もあります。また、初めての土地では、いきなり家は購入できません。賃貸のアパートを借りて、そこを拠点に3ヶ月位をかけてその町の一番良い場所を探さなければなりません。
それと仕事にインターネットは必要です。それも最低限、昼間は常時接続できる環境が必要になります。知らない土地で早くプロバイダを見つけて接続出来るだろうか。という疑問と不安が頭の中を支配します。もし出来なかった場合のことを考えて、ZAPPと契約しておこうかとも考えました。(ZAPPはCDMA方式の携帯電話会社です。これでインターネット接続が可能です。)固定電話を引くには最低3週間はかかるし、ARtelecom(大手プロバイダ)だと今よりも接続料が高くなって環境も悪いなりに使っていかなければいけなくなるなど、順調にいっても時間が掛かることが予想されました。
もともと引越しする理由は、一番住みやすいところを探そうという考えでした。主に、子供が行く学校のいいところを探そうと思っていました。通学路と学校の良いところと思っていたのですが、それ以前に手続き上の問題が大きくなってしまいました。
妻と私でいろいろと考えた結論は、始めに書いたようにこのロマンの家にずっといようということになりました。ずっと居るというよりも、この家を拠点にして行きたい所に住むようにしようと考えました。この家は、売らずにずっと持っておこうと決めました。この家があるほうがスムーズにうまくいくことが判りました。手続き上の問題を全てクリアしているので、この家は必要ということが判りました。
「住めば都」という言葉が今は実に良くわかります。このロマンという町に住んで3年。良いところも悪いところも見てきましたが、知り合いも出来てきましたし、警察、市役所、など重要なところで働いている方とも仲良くなることが出来ました。あそこに市場があって誰がいて、ここが安い酒屋で、ワイン屋で、パンはここのマガジンで、薬局はここで、車で出かければ、みんなパッシングして手を振ってくれるくらい知り合いが出来ました。今更、この財産を捨ててというわけにはいかなくなりました。
以前、3日、3月、3年(ミッカ、ミツキ、サンネン)の話をしましたが(2004年1月22日参照)、今回はこれに当てはまると思います。3年目でいろいろと考えました。この3日、3月、3年ですが、それ以上は30年です。3日、3月、3年、30年です。というわけで、この家に居るのは30年になりそうです。
今回は、私のいるロマンの町だけに、ロマンのある話でした。(えっ、ぜんぜんロマンが無いですって。失礼しました。)大きな夢を考えていたのですが、結論はすごく現実的になりました。6ヶ月間かけてロマンのある話にしたかったのですが、出来ませんでした。これも仕方ありません。
2004年 7月 1日